2022年9月22日木曜日

自灯明



自灯明 midnight crystal

外寸 168×220mm
窓寸 900×130mm




2022年9月18日から19日にかけて、大型の台風が来た。なんの根拠もないけれど、台風が来ると、宇宙の何処かでも渦巻き銀河が生まれたんだろうなと思ってしまう。



渦を描いて大海を渡る龍、彼らは陸に上がると山々の神々と合流して、話し合い、川を降りる。彼らをなだめて、海に返しているのは山の神。そのとき彼らは、唯一人間の目に見えるエネルギー(水)に化身して、荒ぶる神としてその姿を現す。



どこか断線したらしく、深夜から昼前まで停電していたのだけど、困ったことはなにもなかった。外部情報から遮断されると、神さまに繋がりやすくなる。たまにはこういうのもいいよね、と目の前の空間を愛すれば、魂に灯がともる。闇が深ければ、内なる光で照らせばいい。それが釈迦の遺言、自灯明。

かげくらき 月の光をたよりにて しずかにたどれ 野辺の細道



2022年に入ってからの水晶は、例年とはまるで違う表情だった。とても不安定で、個体差が激しく、しかし魂に灯が灯ったような不思議な色だった。龍青(ドラゴンブルー)の美しさには敵わない。でもなにか感覚的に引っかかるものがあって、映色シーズン(春~夏)を過ぎても実験を継続していた。


9月に入ってから、数枚の水晶が白く発光するような光を浮かべていた。妙にグッときて心に刺さるのだけど、水晶が伝えようとしていることが、そのときはよくわからなかった。

しかし台風が来て、停電したあとにふっと気づいた。闇が深ければ、内なる光で照らせばい。そう、これは自灯明だと。


「宇宙や見えない世界の情報は、いつも圧縮ファイルで届く」

友人の作家さんが手紙に綴っていた言葉を思い出した。

「だからすぐにはわからないのだけど、それを魂で追っているときは、いつもわくわくする」

心に引っかかることは、わからないままに放置していても、ちゃんと無意識に保存されていて、迎え入れる準備が整えば、雪が解けるように、向こうからその秘密は開示される。

それを追うことで、魂は喜ぶ。

“I’m adventurer,looking for treasure,”  

『僕は宝物を探している冒険家なんだ』

わくわくするその先に、宝物がある。魂が喜ぶことをしていれば、どんな暗い道でも、内なる光が進むべき道を照らしてくれる。絶望して、深い闇に包まれたなら、自分が光になればいいのだ。




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