2019年11月30日土曜日

龍樹


龍樹 ryujyu
 
雲流紙にデジタルプリント
A4サイズ
(外寸)210mm×297mm
 (内寸)250mm×175mm
 
 
 

樹霊シリーズと同じ雲流紙、同じインクを使用しております。雲流紙は楮(こうぞ)の繊維がそれぞれ違うので、一枚一枚に違う流れがあり、ひとつとして同じものはありません。黄金色(ブロンズ)が紙の上に現れるように、アルケミスト(錬金術師)に魔法をかけてもらってます。



紙の裏にウロボロス(アウリン)の蛇を印刷してあります。太陽に透かすと、このシンボルが浮かび上がります(光をあてないと裏うつりはしません)。


 
シュミレーションはA4サイズのアクリルフレームとポスターフレームです。アクリル板なら窓辺に置くとうっすら透けて見えるし、光の加減で微妙な色調の変化も楽しめます。ポスターフレームはフレームを入れてもいいし、ガラス額装してもいいし、その点は購入者におまかせします。マット(窓)サイズは250mm×175mmです。額は付属いたしません。
 

 
 
※錬金術には副作用があるらしく、紫外線によって早い段階で退色することがわかりました。アルケミスト印刷は、廃盤になったアウトレットの雲竜和紙に、互換インクの実験用プリンターで印刷を重ねていたときに、急にインクの出がおかしくなって、偶然生まれたエラーモード、つまり問題がある者同士が集まってできた、小さな奇跡のような作品です。
 
 
 

モチーフは宇佐八幡神社の樹齢800年の大楠です。三本あるうちの一本で、本殿に寄り添うように生えている大樹です。樹霊シリーズでは木霊として登場します。


 
以前、この樹から幻視を伴った強い霊感を受けました。それは鎮守の森くらいの大きさの、巨大なメビウスの輪のようなものでした。生きているように地下世界を巡って蠢くその不思議な帯の流れは、やがて蛇のような形になり、最終的にこの樹の根元から龍になって天に飛んでいきます。それは見えない世界での出来事ですが、強いリアリティとそのイメージは、ずっと脳裏に留まっていました。
 
二匹の蛇が互いの尾を咬んで楕円になった文様は、ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」においてアウリンの蛇として重要なシンボルとして登場します。みずからの尾を食べるウロボロスの蛇は、始まりも終わりも無い完全なものであり、循環性、永続性、始原性、無限性と、意味するものは広く、古くから多くの文化、宗教において用いられてきました。その象徴であるイメージは、この大樹から得たインスピレーションそのものでした。
 
『宇宙においては、何ものも消滅することなく、何ものもあらたに生ずることなく、何ものも終末あることなく、何ものも常恒であることなく、何ものもそれ自身と同一であることなく、何ものもそれ自身において分かれた別のものであることはなく、何ものもむかってくることもなく、去ることもない、という縁起のことわりを、仏は説きたもうた』Nagarjuna
 
人の寿命よりはるかに長く生きている大樹には、叡智が宿ります。そして友人と呼べるようになれば、テレパシーで大切なことを伝えてくれます。大樹と親密になる、もっとも有効な方法のひとつが、描くことでしょう。この樹を描いている間、不思議なことが起きて、なぜだかずっと龍が気になっていました。
 
宇佐八幡神社の別名は辰宮神社。即ち龍神さんです。
 
 

 
 
 
  ※販売終了いたしました。
 


 

2019年11月25日月曜日

郷愁

 
郷愁 nostalgia
  
竹和紙にデジタルプリント、ニス
A4サイズ
(外寸)210mm×297mm
 (内寸)248mm×195mm

 
和紙は長期保存に適した紙です。天然の植物繊維を、漉くことによって繊維を絡ませることができるため、強靭で保存性に富み、洋紙に比べ耐久性の強いのが特徴です。額装を念頭に制作しましたので、お好のみの額に入れていただければ幸いです。額は付属いたしません。

 
郷愁は土の色がメインに出ています。マットをすこし狭くして、木製の額が合うのではと思います。写真の額は四つ切サイズです。これぐらいがベストかなあと思います。参考程度に。

 
この絵はなかなかタイトルが出てこなくて。見切り発車で進めていたら追いかけるように言霊が降りてきました。郷愁 nostalgia とは故郷を懐かしく思う気持ち。故郷とは場所ではなく、心の故郷のこと。森の懐は魂の根元。本来の自分に出会える場所。
 
写真撮影したあと、日曜市に出かけたら、木彫の鹿(50円)を発見。想いは現象化する。
 

 

  
 
 
※販売終了いたしました。